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ガロ スロット 初代 インテルは、チップセットが担っていた機能を次々とCPUへ統合している。Bloomfieldではメモリコントローラを統合し、LynnfieldではPCI Express x16インタフェースがCPUに統合された。このようにメモリコントローラやグラフィックスインタフェースをCPU内に統合することは、それぞれのバスのレイテンシが削減されて性能面のメリットにつながる。
今回登場するClarkdaleで統合されたのは、グラフィックス機能(正確にはGMCH相当)だ。AMDもCPUとGPUを融合する「Fusion」を掲げているように、CPUにGPUを1つにまとめる動きはAMDとインテルのx86 CPUにおける進化路線と言える。2011年投入予定のFusionよりClarkdaleは1年先行することになるが、Fusionがワンシリコンと予想されているのに対し、ClarkdaleはCPUとGPUが別ダイのMCP(Multi Chip Package)なので、融合というよりは統合という言葉が当てはまるだろう。
Clarkdaleではグラフィックス機能とメモリコントローラがCPUに統合される(写真=左)。ClarkdaleはGPUを統合したCPUだが、実装方法はMCPなので、ヒートスプレッダの下には2つのダイがあって互いにバスで接続される
Clarkdaleのメモリコントローラは、BloomfieldとLynnfieldのようにCPU側ではなく、グラフィックスコア側に統合されている。これは、グラフィックスコアがメインメモリの一部をフレームバッファとして用いるためだ。ちなみに、ディスクリートGPUをシステムに組み込んだ場合は、Clarkdaleのグラフィックスコアは省電力モードになって消費電力はほぼゼロになるが、メモリコントローラ部分は電力の供給を受けて動き続ける。
興味深いのは、CPUとグラフィックスコアがそれぞれ異なるプロセスルールで作られていることだ。ClarkdaleのCPUコアは「Westmere」と呼ばれる32ナノメートルプロセスルールを採用する。一方で、グラフィックスコアは45ナノメートルプロセスルールで製造されたIntel GMA X3000系(Intel G965 Expressなどに統合されていた)を発展させたものになる。
なお、プロセスルールが異なるため、1つのパッケージに実装された2つのダイは高さが異なることをインテルも認めている。デスクトップPC向けのClarkdaleではヒートスプレッダを被せることで高さの問題を解消しているが、ダイが露出するモバイルPC向けの「Arrandale」ではこの高さの違いを解消するための特別なクーラーデザインが必要になるという。
多彩で複雑なClarkdaleのラインアップ
Clarkdaleが登場した当初は、Core i5-600番台、および、Core i3-500番台でラインアップを展開する。これらのモデルはデュアルコアを実装するが、ハイパースレッディング・テクノロジーによる4スレッド同時処理を可能にしている。CPU部分の構成トランジスタ数はLynnfieldの約半分であるのに加えて、プロセスルールが32ナノメートルに微細化したことで、グラフィックスコアの構成トランジスタを加えても、TDPは73ワット(グラフィックスコアの動作クロックを挙げているCore i5-661は87ワット)とLynnfieldより低い。
さらに、Clarkdaleは最上位のCore i5-670で定格の動作クロックが3.46GHzだが、最下位のCore i3-530ですら定格で2.93GHzと、全体的に高い動作クロックが設定されている。Core i5シリーズとCore i3シリーズの大きな違いはインテル ターボ・ブースト・テクノロジー(以下、IBT)への対応で、Core i3シリーズでは利用できない。なお、Core i5-670を例に挙げれば、IBT有効時には3.73GHzまで動作クロックが引き上げられる。
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